LinkedIn日本法人第一号社員によるNPOのためのスタートセッション!
これまで三回にわたってお送りしてきた、NPOサポートセンター主催、NPOアカデミー「最新事例とツールを学ぶ「NPOためのソーシャルメディア・マーケティング」」の最終回です!
第4回目はLinkedInについて
今回のテーマは、「LinkedIn」です!!前回まではFacebook・LINE・YouTubeと、ビジネス活用はしていなくとも、比較的馴染みの深いSNSだったと思います。しかし今回はLinkedIn。ビジネス活用どころか、「LinkedInってなに?」って方も結構多いのではないでしょうか。
ビジネス特化型のSNS「LinkedIn」を活用した、スタッフ、ボランティア、プロボノなどの人材リソースのアプローチ方法を学びます。個人 / 法人ページの作成方法や効果的な活用方法を習得します。
前回までのレポートはこちら
第一回はSNSマーケティングの全体設計について
第二回は、Facebookに特化したSNSマーケティング講座でした!
第三回は2本立て!LINEとYouTubeについてです!
今回の講師は長谷川玲さん
今回はLinkedInジャパンの長谷川玲さんにご講演いただきました!LinkedInの中の人から、LinkedInの活用法について教えていただけるなんて!!感激です。
リンクトイン・ジャパン株式会社 日本広報・アジア太平洋地域ソーシャルメディア統括
1996年東洋英和女学院大学を卒業後、外資系メーカー、通信事業者にて約10年間マーケティングを経験。2007年カナダ・マギル大学経営修士号(MBA)を取得後、グーグルに入社。広告のインダストリーマーケティングや営業戦略を担当。2010年にベンチャー企業(日本初の共同購入クーポンサイト「Piku」)の立ち上げを経て、2011年にLinkedIn日本法人社員第一号として入社。
LinkedIn とは
さて、さっそくですが、「LinkedInってなに?」って方向けのお話からスタートしました。
なお今回の投影資料の一部は、スライドシェアに上がっていたので、以下に貼り付けておきます。スライドをご覧いただきながら、文章を読んでいただけると、より理解も深まるかと思います。
LinkedIn ≠ 転職サイト
「LinkedInって転職サイトじゃないの?」そんなことがよく聞かれる、と長谷川さんは話します。
そうではなく「LinkedInは世界200カ国、3億人の登録メンバーを擁するビジネスソーシャルネットワーキングサイト」だそうです。後ほど出てきますが、Facebookがプライベートなら、LinkedInはビジネスのためのSNSと言ったところですね。
LinkedInのミッションとは
さて、そのLinkedInのミッションは、「世界中のプロフェッショナルの生産性を高めより成功するようつないでいく」ということ。すなわち、人や人や、企業が繋がって、各々コラボしていき、それによって成功する一助になる。そういったことだと理解しています。
世界で3億人のユーザー
日本では100万人と、まだまだ馴染みの薄いLinkedInですが、全世界では既に3億人のユーザーを抱えているそうです。
またアメリカ人のユーザーが多い印象がありましたが、アメリカ人は1億人と全体の3分の1程度らしく、ヨーロッパや中国、インドなど、多くの国と地域で利用されていることが分かります。
また興味深いのは、中国でFacebookTwitterは禁止されているのに対し、LinkedInは利用できるということ。この点に対し、「経済の貢献をするSNS」として認められているのではないか、と長谷川さんは仰っておりました。
個人としてのLinkedIn活用法!
概要は以上にして、早速使い方講座に入りましょう。まずは個人としての使い方。LinkedInの特徴としては、①自己紹介②つながり③情報収集の3つがあるそうです。順々にご紹介します。
①ビジネス上の自己紹介
今回このスライドが一番しっくり来ました。Facebookはプライベートな位置づけ、たとえば美味しいラーメンや可愛いネコの写真がアップされる空間ですが、対してLinkedInは真面目なプロフェッショナルが集まる空間です。そこにラーメンも猫も存在しません。
ソーシャルネットワークは使い分けの時代へ
洋服でもTPOを合わせて選ぶように、ソーシャルメディアもそれぞれの特製に合わせて、コミュニケーションが行われているいるのでしょう。
そういった背景の中で、LinkedInはビジネスに特化した自己紹介に最適なツールと言えます。確かに「取引先の方とFacebook繋がっちゃったから、Facebook更新するのが億劫なった」という声はよく聞きます。取引先と繋がるなら、LinkedInで繋がるのがベストプラクティスな気がしますね。
②つながり
LinkedInでは仕事で必要な人を検索で探すことができます。たとえば検索窓に「ボランティア」と打って検索すれば、ボランティアに関わりのある候補者が見つかることでしょう。
つながりから機会が生まれる
つながりから大きな機会が生まれる、というのは私がブログを始めた理由でもあり、非常に共感します。実際に長谷川さんはアプローチしたい人材を、LinkedInで探してアポを取ることもあるそう。電話帳とにらめっこして、電話営業や飛び込み営業してる方は、目から鱗が落ちますね。
様々プロフェッショナルが集まる空間
LinkedInには様々プロフェッショナルなるが登録しているらしく、エンジニアやデザイナーは勿論、珍しい例では神主や住職の方も登録されているそうです。「誰かに助けを求めたい、話してみたいときに検索!」というのは、すごい良い方法ですね。
③情報収集
最後は情報収集です。これは「バックグランドを把握し、関係づくりに役立てる」というのがメインになります。
「その人のバックグランドを把握しておくことで、その人との仕事がスムーズになる」というのは、多くの社会人の方が実感されていることではないでしょうか。
たとえばその相手が
- 同僚や上司であれば、社内の人がどんなキャリアを積み、どんなスキルを持っているか共有できる
- 取引先の担当者・決済権者であれば、営業トークの会話の糸口に利用できる
- エグゼクティブやお客様であれば、海外の人を接待する際など、苗字・出身・宗教などが分かるので、それらに配慮した食べ物などのケアができる
ここに挙げたのは一例ですが、バックグランドを事前に知っておくことで、有利になる点は多いと思います。
以上、ここまで個人としての活用法でしたが、次はNPO(や企業)として、LinkedInの活用法を見ていきましょう。
組織としてのLinkedIn活用法!
企業や組織が使える、LinkedInでの活用法は3つ。①採用②広告③営業、だそうです。こちらも順々に見ていきましょう。
①採用
これは先ほどの検索と重複しますが、LinkedInに登録する3億人の会員から、必要な人材を検索し採用するというケースです。既に私はLinkedInのアカウントを持っているのですが、確かにヘッドハンターからお誘いのメールが頻繁に届きます。
求人広告を見て応募してくる人は、現状に文句が理由で転職する人が多いので、そうではなく
現在転職の意思はなくとも、事前につながりを作っておくことで、いつかの採用に繋がるという面もあるそうです。
②広告
①に加えて、広告ですね。これはFacebookなどと似ていますが、企業や役職別に条件を絞ってターゲティング出来る点が優れているようです。
③営業
これはまだまだ使い倒す余地があるのではないでしょうか。組織として、新規顧客に効率よくアプローチしたい時に使えるとのことです。
以上に加えて、NPO向けの内容をご紹介。
LinkedIn For Good
LinkedInでは、LinkedIn For Goodという、プログラムを立ち上げ、メンバーや社員のスキルや知識を還元するための場を設けているそうです。(以下、公式サイトより引用)
LinkedInでは、ボランティア、役員、出資者の検索や知名度をアップを目指す非営利団体を支援します。このプログラムでは、非営利団体に対して弊社の有料ソリューションが特別料金で提供されます。
またLinkedIn For Nonprofitというページでは、非営利組織がLinkedInを使うためのTipsを紹介しています。広告キャンペーンが割引になるキャンペーンなどもあるらしく、要チェックです!
海外NPOではLinkedInを活用した人材獲得事例も多いらしく、国内だと、Teach For Japanさんはすでに団体ページを作成し、運用されているようです。
質疑応答(会社ページなどについて)
今回のセミナーでは、ここまでのPowerPointを使ったプレゼンは短めにし、多くの時間を実際の画面操作や質疑応答に時間を使ってくださいました。さすがに画面操作を文章化するのは、難しいので、一部のTipsをご紹介します。
まずは無料で作れる会社ページを作れ!!
LinkedInを使い倒したいNPOがまず取り組むべきは、これでしょうか。Facebookのファンページと似ていますが、LinkedInの会社ページは、スタッフそれぞれの個人ページへリンクされるのが特徴的です。
これまで組織のHPだと、代表挨拶みたいなカタチで、代表だけが出てくることが多いですが、LinkedInに登録しているスタッフがそれぞれのプロフィール経歴に、その組織を登録していれば、会社ページ側からも個人のバックグランドにアクセス出来ます。これは面白いですね。
会社ページの作り方
「情報」タブから、会社を選択します。遷移先、画面右側の会社ページの作成をクリックし、指示に従って、情報を埋めていきます。
フリーアドレスでは登録不可
注意点としては、XXX@gmail.comなどのフリーアドレスでは登録が不可だそうで、必ず組織独自のドメインアドレスをご用意ください、とのことでした。
ロゴ入れるの大事!!
また会社ページではロゴの設定もできるらしく、これを設定しておくことで、その組織を経歴に加えている人の個人プロフィールにも、ロゴが表示されるとのこと。この点を考えると、やはり会社ページを作成してから、メンバー個人のプロフィールを作ってもらうほうが良さそうです。
団体名は検索されやすい名前で!
NPOで陥りがちなのが、アタマに「特定非営利活動法人」などと付けてしまうこと。多くの人はそれより以下の名前で検索することが多いので、検索に引っかからないこともあるようです。(NPOサポートセンター笠原さんが発見したTips!!)
質疑応答(個人ページについて)
プロフィールは頑張りすぎなくてもいいよ
早くからLinkedInやっている方のプロフィールを見ると、英語だし、めっちゃ長く書いてるし、これから始める人にとっては「あんなに書かなきゃいけないのかぁ」と思われるかもしれません。そんな方へ長谷川さんからのアドバイス。「ちょっとずつ増やしておけばいいよ」安心しました。
複数の言語でプロフィールを記載できる
LinkedInでは日本語ページと別に、英語やフランス語のページを用意することができ、そのプロフィールを見るクライアント側の言語設定によって、当人のプロフィールの言語が変わるそうです。たとえばAさんが日本語と英語のプロフィールを用意しておけば、そのプロフィールを見ようとした英語圏のBさんには、Aさんの英語プロフィールが表示されるそうです。これは知らなかった!
設定は以下の画像の通り、プロフィール編集画面のプルダウンから、「別の言語のプロフィールを作成する」を選び記載するようです。私もそのうち英語版プロフィールも書くかなー。
公開プロフィールの設定も出来る
SNSに仕事内容を記載することに抵抗がある方も多いかもしれません。誰でも見れる、いわゆる公開プロフィールも、公開内容を設定することができます。たとえば写真や役職の詳細は非公開にするなど。
プロフィールページのパーマリンクは早い者勝ち!
個人プロフィールページののURL(パーマリンク)は早い者勝ちらしく、お好みのリンクにしたければ、我先に変更することをおすすめします!
cf)パーマリンクとは?
その他Tips!!
知らないつながり申請が来るけど、安易に承諾してよい??
個人的に私が気になってたので聞いちゃいました。LinkedInのアカウント持ってると、見知らぬ方からこんなメッセージがよく届きます。
初めまして。
突然のメールにて失礼致します。XXX社のXXXと申します。
Linkedinからご経歴を拝見させて頂きご連絡させて頂きました。
・・・・・・(以下略)・・・・・・
みたいな。これに対する、長谷川さんの回答は、、「基本は知ってる人と繋がるべき。怪しい人は繋がらない!!」だそうです。もちろん良いヘッドハンターの方もいるので、相手の経歴等を見て判断したほうが良いとのことです。もし仮に変な人と繋がってしまったら、ブロックすることもできるそうです。
検索を使い倒せ!
前述のとおり、「ボランティア」と日本語で検索してもOKのようです。またLinkedInはSlideShareを買収してるため、検索結果にスライドシェアも出てくるそうです。
プレミアムアカウントでできること
LinkedInには無料アカウントのほかにも、いくつか有料会員プランもあるのですが、なにができるのかいうと、検索結果の絞込が詳細にできたり、自分と全く繋がりのない4次以降のユーザーのプロフィールが見れたりと、さまざまな点で便利になるようです。
ただ採用担当者でもない限りは、無料アカウントで十分な気がします。
紹介リクエストする機能もある!
「あの人とコンタクト取りたい!そいえば友人がそのひとと繋がってる!紹介してくれないかな??」そんな機能もあるそうです。
もっと知りたい方は、NPOxIT EXPOへ!!
今回の内容を文字に起こして思いましたが、やはり画面操作は伝わりづらいですね(苦笑)きっとわからない点も多いかと思いますので、ぜひ9/6(土)のNPOxIT EXPOに参加されることをおすすめします!
今回のLinkedIn長谷川さんだけでなく、第一回第二回のループス・コミュニケーションズ加藤たけしさんなど、様々なNPOのIT活用のプロと事例が集まるようです!もちろん私も参加します!お申し込みは以下のバナーからどうぞ!
それにしても「LinkedIn便利だなぁ」、と気付かされた回でした!会社内の同僚がすべてスキルをLinkedInに登録してれば、仕事振るのも楽になりそうですね。ビジネスで人とつながる手段として、非常に有効なツールだと再認識しました!!ではでは!
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