Infinity Ventures Summit ワークショップ @慶應日吉キャンパス
有名IT系経営者が集まる、Infinity Ventures Summit。そのスピンオフ?企画のSummerWorkshopに行ってきました。色々考えたり感じたりすることのできたイベントだったので、備忘録がてら書き連ねてみようと思います。
IVS Workshopとは??
Infinity Ventures Summit(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット。以下IVS)「無限の可能性をもつベンチャー企業を生み出す場・集まる場」という意味を込めたインターネット,モバイル、ソフトウエアなどIT業界の国内外の経営者・経営幹部を対象とした年2回の招待制のオフサイト・カンファレンスです。
本ワークショップは、IVSのエッセンスを主に大学生・大学院生や若手ビジネスパーソンを対象に1.5日のプログラムを提供する取り組みです。起業家精神の啓蒙や同じ志を持ち日本を支える若手のコミュニティを構築することを目的としております。
IVS公式ページより引用
詳しくは、Facebookイベントページや公式ページを御覧ください。
SpringWorkshopのドキュメンタリー
先んじて今年の春に行われたSpringWorkshopのドキュメンタリーです。雰囲気を掴むにはとても分かりやすいです。
IVSスプリングワークショップ2014ドキュメンタリー from Infinity Ventures Summit on Vimeo.
超豪華な登壇者!
ワークショップではホント日本を代表するような経営者から、新進気鋭の若手起業家まで、ほんとに豪華な登壇者勢でした。これで無料とかすごい。(懇親会だけ有料。)登壇者一覧はこんな感じです。(公式ページより引用)
書き起こしは割愛します
一日目は書き起こししようと頑張ってたのですが、優秀なIVSスタッフの方々が当日中にNAVERまとめ記事をアップされてたので、今回はそちらに任せます。
僕は気になった話などを中心にピックアップします。イベント全体を見てみたい方はぜひまとめ記事を御覧ください。動画もそのうち公開されるそうです。余談ですが、Workshopに先んじて札幌で行われた、IVS本体?のLaunchPadは必見ですよ!!(早くそっちに招かれるようになりたい)
- 【IVS セッション1:チャレンジする人生のススメ】
- 【IVS セッション2:新進気鋭の起業家が語る20代のチェレンジの仕方】
- 【IVS セッション3:第一線で活躍する経営者・プロフェッショナルの語る20代の修業の仕方】
- 【IVS セッション4:ベンチャーキャピタリストが語る最新トレンドと事業の立ち上げ方法】
- 【IVS セッション5 : ビック・ベンチャーを創れ!】
- 【IVS セッション6: 挑戦する人生】
- 【IVS セッション7: Let’s start up ! – 創業することの楽しさ・面白さ】
- 【IVS セッション8:20代の経験の積み方・働き方〜海外留学・生活で視野を広げろ!】
- 【IVS セッション9:起業家による人生相談会〜人生は挑戦だ!】
ノータイムポチリ
では早速気になった話を紹介していこうと思いますが、一番印象に残ったのは、主催のInfinity Venture Partnersの小野裕史さんの、オープニングプレゼン。素晴らしいセッションだらけでしたが、すべてはこの「ノータイムポチリ」の話に集約できると思うのです。
ノータイムポチリとは
造語である「ノータイムポチリ」とは、ノータイムでポチッとすること。すなわち、深く考えず即座にポチッと目標設定する、ことだそうです。
35年間運動ゼロから、マラソン中毒者に
マラソン中毒者と呼ばれるほど、マラソンが”趣味”の小野さん。しかし、つい5年ほど前までは、全く運動しない生活だったと語ります。35年運動ゼロ生活からマラソン中毒者に変えたのは、あの任天堂のゲーム「Wii-Fit」だったそうです。
全く運動しない生活に流石に危機感を覚え、軽い気持ちで始めたWii-Fitでしたが、ランニングのミニゲームをやってるうちに、「どうせなら外を走るか」と思い、外でのランニングを始めたそうです。
三ヶ月後のフルマラソンをノータイムポチリ!
走り始めると、苦しいけれども徐々にタイムが縮まっていくことに、快感や楽しみを覚えたとのこと。そんな時、フツーのランニング初心者と小野さんを分けた出来事が起こります。
2009年8月に走りはじめ、3ヶ月後の11月のフルマラソンにチャレンジしようと思い、すぐに“ポチり”ました。
この「ノータイムポチリ」により、目標設定が明確になり、「やるorやらない」から「どうやってやるか」に、思考が変わったと言います。その後、さまざまマラソン(砂漠や南極などなど)に参加され、現在は日本一を目指しているそう。
心の羅針盤にしたがってノータイムポチリしてみる
ここで強調されていたのは、決して小野さん自身がスーパーマンではないと言うこと。もちろん向き不向きはあるでしょうし、マラソンはあくまで一例だと思います。
ただ心の羅針盤に従い、ノータイムポチリすることで、次の目標が設定でき、結果的に振り返ってみると、大きな成長に繋がっていた、というのはすべてに通ずることだと思います。
ココロ>アタマ
未来というのは、未だ来てない、ということ。もちろん不安もある。が、そんな時にアタマを空っぽにし、ココロに従って、ノータイムポチリすることで、次のステップに進めるということ。
たとえば、
- アプリ作ってみようと思うのなら、エンジニアに声掛け得まくってみよう。
- シリコンバレー行ってみたい!と思うなら、すぐさまエアチケットをポチッとしてみよう。
- あの人憧れるなぁと思うなら、Facebookで検索して会いに行ってみよう。
などなど、次のアクションに繋がるキッカケづくりをしていくのが大事なんでしょうね。
動かなければ、未来は何も変わらない
自分がやりたいことの最大のハードルは「自分自身」。アタマを空っぽにして、ちょっとしたキッカケ=ノータイムポチリを作り出すことによって、ある種強制的に自分を前に進める。それが出来るかどうかが、色んな人生の分かれ道なのかもしれません。
未来に生き残る生物は、最も多くの変化のチャンスを作ったものだ。byチャールズ・ダーウィン
「小さなポチリから大きく未来を変えていける」という言葉がとても印象的でした。小野さんの話は、こちらのインタビューに詳しくまとまってますし、以前スクーにも登壇されたようなので、気になる方はぜひ!
組織にビジョンは必要か
次に紹介する話は、セッション2の最後にあった質疑応答で出てきた話です。
「起業当初、組織にビジョンは必要か」
これに関しては登壇者間でも意見が分かれた印象があったのですが、ウォンテッドリー株式会社代表取締役CEO 仲 暁子さんの答えが、とても良いなぁと思ったので紹介します。
最初は崇高なビジョンはなくてもいい。 ただ10人とかの組織ができてきたときには、必要になってくる。 なぜなら人数が増えると、その分コミュニケーションコストが大きくなるから。
崇高なビジョンを掲げるのに時間が掛かり、起業すること自体が遅れてはならないということだと理解しています。別の設問でしたが、こんなことも仰っていました。
最初は理想を高く打ち上げる必要もなく、半径2メートルの身近な人の不便を解決すること。
これは全く同じことを、セッション9でセプテーニの佐藤さんも仰っていました。ビジョンというと「どうゆう社会を作りたいか」など、大きなことを考えなきゃいけない気がしますが、最初は自分の周りの人を、どう幸せにするかを考えることに、注力したほうが良さそうです。
そして人数が増えてきたら、その人達の指針となるビジョンが必要になってくるのでしょう。
好きを仕事にするために必要な、たったひとつのシンプルなこと
少し話がズレますが、仲さんがTEDに登壇されたときのプレゼンが大好きです。このプレゼンを見て、仲さんに会いたいと思い、今回のイベントに行ったと言っても過言ではないです。
以前書いた記事とも合わせて是非。
最終セッション「起業家による人生相談会」が面白すぎた!
素晴らしいパネルディスカッションが続いた本イベントでしたが、最終セッションが最高に面白かったです。登壇者は超豪華な以下の方々。
- 株式会社KLab 代表取締役社長 真田 哲弥 氏
- 株式会社gumi 代表取締役社長 国光 宏尚 氏
- 株式会社セプテーニ・ホールディングス 代表取締役社長 佐藤 光紀 氏
- MOVIDA JAPAN株式会社 代表取締役社長兼CEO 孫 泰蔵 氏
- ヤフー株式会社 執行役員 ショッピング事業カンパニー長 小澤 隆生 氏
- インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー 小野 裕史 氏
このセッションは、参加者から質問を募り、すべてその場で登壇者がその質問に応えるスタイルで進みました。面白い質問が沢山ありましたが、印象に残った質問と回答を幾つかご紹介。(以下、敬称略)
サービスや製品に中毒性を与えるには?
おいおい、、と思った質問でしたが、回答はとても納得させられるものでした。
国光:俺が欲しいものを作る。
孫:エンターテイメントとは、市場がどうとか、中毒性が〜とかを考えてるのではなく、自分がほしいものを作る。要因分析した記事は結果論だから読まなくて良い。
佐藤:目の前の一人を熱狂させるのが大事。熱狂は伝播する。千人の前でのスピーチでも目の前の一人を意識して作る。其の深さがあれば、サービス・製品の熱狂は伝播していく。
ちなみにgumiの国光さんは登壇する直前まで、自社のゲームをやられていたそう。ここまで愛せるサービス・製品を作ることが大事なんでしょうね。周りの人や自分自身が熱狂できるものでなければ、社会全体を熱狂させられるわけがない、といったところでしょうか。
最初の仲間さがしはどうしたら?
僕の周りでも、資金面よりも仲間探し、特にエンジニア探しに悩むスタートアップが多い気がします。それに対する答えがこちら。
真田:探しちゃだめ。自分から発信することが大事。言いたいことを言い続け、集まってくる仲間を待つ。
非常に共感しました。よくVCの方が、投資するかどうかは人を見る、と仰ってるのをよく聞きますが、その人が夢であり成し遂げたいことを、熱意を持って語り発信できるかが、本当に重要な気がします。
そういった起業家のもとには、色んなキッカケで人が集まるのでしょう。それはイベントかもしれない、Twitterかもしれません。「今日隣に座ってる奴と数年後一緒に起業しているかもしれない」という、IVP小林さんの言葉が思い出されました。
不安になった時どうする?
近年起業のハードルが下がっているとは言え、やはり起業にはリスクがあって踏み出せない人も多いかと思います。実際に起業した後に、不安になったらどうする?という質問。
小澤:不安の意味を考えることが大事。要因分析。自分一人で食べていけるだけのスキルをつけなさい。自分の不安の本質を突き詰めて考える。生活の不安であれば、年収いくらあれば大丈夫なのかを考える。
自分の最低生活コストを計算することは、何をやるにしても大事だと思います。これだけ稼げれば死なないというデッドラインを把握するということですね。
意識高い系によくある過ち
今回のIVSの参加者は学生80%、若手社会人20%の割合でしたが、その大半が少なからず「将来的に起業したい」「起業している」方々が集まっていました。要するに、いわゆる「意識高い系」の人々が集まっていたワケです。そこで、この質問。「意識高い系の人にありがちな過ちとは?」
佐藤;正解を求めすぎること。(起業に)正解はない。頭でっかちに正しい答えを求めに行くよりは、自分自身が面白い方向へ行く。意思決定できないという「しがらみ」から、いかに自分を解き放つか。
周りにいた学生を見ても、東大京大や早慶、旧帝大など有名難関大学の方々が多数いらっしゃいました。頭がよく勉強ができる方々だからこそ、正解を求めて動いてしまうという傾向があるのでしょう。
挑戦したくない人を、どう挑戦させる?
周りを見回すと、挑戦大好きな人だけではなく、のんびり暮らしたいという人も多いかと思います。「夢がない」という若者も多いですね。そんな「挑戦したくない人を、どうやって挑戦させるか?」という質問。(個人的にはすごい上から目線にも感じましたが。)
佐藤:挑戦しなくてもいいという論調は、「今日100のものが、明日も100である」という前提がある。しかし、すべてにおいて減価償却してる。挑戦して初めて、プラマイゼロになってる。
今日と明日が同じである、という安定を求めるのであれば、挑戦はしなければならない。小澤:みんな何らかの挑戦をしている。朝8時に目覚まし掛けて起きるのも挑戦。挑戦して楽しいところを見せれば、挑戦するだろうと思う。
最近幸せの定義って、人それぞれだなぁとつくづく思います。起業して経済的に成功するのが幸せな人もいるし、地方で自給自足し必要最低限な経済圏で暮らすのも、幸せのカタチでしょう。ただ幸せのカタチは違っても、挑戦のない人生なんてない、そう感じました。今日と同じ明日を作るために挑戦する、というのは非常に共感しますね。
去年のインタビューでヤフーの小澤さんが、このテーマで仰っていたので。このインタビュー、すごいいいですよ。
ヤフー株式会社 小澤隆生 氏 インタビュー from Infinity Ventures Summit on Vimeo.
出会いに恵まれた2日間。
自分が動かなければ、未来は全く変わらない
今回僕が参加した目的は、人です。とても豪華な登壇者の中でも、ウォンテッドリー仲さん・ユーザーベース佐々木さん(登壇時は東洋経済編集長)・セプテーニ佐藤さんと、話してみたい、聞いてみたいということがあり、この三名をピンポイントで狙ってました笑
勿論この三名の方とは、懇親会の場などで、直接お話しする機会を頂いたのですが、それ以外にも素敵な出会いが沢山ありました。
- 素敵な起業家の方
- 起業を夢見る学生の方
- スタートアップで修行する社会人の方
- 大企業で頑張りながら、将来を考えている方
などなど。ここでの出会いが、IVSの一番の魅力のように感じます。FiNCの溝口さんも「IVSのようなエネルギーの高い場にいくこと」の重要性を仰っていましたが、本当にそう思います。
人を変えるのは人であり、自分が動かなければ、未来は全く変わらない。そのことを再認識できたイベントだったように感じます。
文章量の関係上、すべてのセッション内容を紹介できないのは、大変心苦しく思いますが。すべて素晴らしいセッションであり、詳細は上記に上げたまとめ記事をご参照いただければ幸いです。
IVS Internship
最後にお知らせです。IVSで登壇された起業家さんの企業で、インターンシップを募集しているそうです。7月26日にインターンシップのイベントがあるらしいので、学生の方はぜひ。本当に羨ましい!!
「私はベンチャーとか起業に興味ないから」という方は多いですが、たとえ将来大企業で働くとしても、スタートアップで働いた経験はきっと糧になると思いますし、広い選択肢で就職活動を考えられるのは強みだと思います。
繰り返しますが、「自分が動かなければ、未来は全く変わらない」のです。その最初の一歩として、このインターンシップイベントに参加してみるのも良いかと思います。
最後になりましたが、こんな素晴らしいイベントに参加できるのも、運営のインフィニティ・ベンチャーズLLP様、登壇者の方々、そしてスタッフの方々のご尽力の賜物だと感じています。本当にありがとうございました。夢見て働く人がもっと増えれば、もっと日本は楽しくなると思ってやみません。ではでは!
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